今年の箱根駅伝は、ランニングシューズが激走の鍵を握っていた?

昨年のテレビドラマ「陸王」はマラソンのランニングシューズの開発をめぐる熱い人間ドラマでしたが、どうやら第94回箱根駅伝でもシューズをめぐる熱い駆け引きが繰り広げられてきたようですね。その背景を、東洋経済オンラインの記事<箱根駅伝「薄底vs.厚底」靴の知られざる闘い>を参考にまとめてみたいと思います。

箱根駅伝2018もついに復路に入り、6区でついに青山学院大学が東洋大学を抜き去り、以後はトップを独走。レースは、9区に入って3位以下が激戦模様となってきました。この段階で1位青学大、2位東洋大ですが、この2校の選手の多くがある画期的なシューズを履いているそうです。

その名は、ナイキの新作「ヴェイパーフライ4%」。これまでのマラソンシューズと異なり、ものすごくソールの分厚い靴だそうで、これを履いた選手が4%速く走れることを目指したことからこの名前がつけられたとか。

その開発のスタートは、昨年の5月。ナイキ社が42.195kmを2時間以内に完走するという目標を掲げて
ブレイキング2」というプロジェクトを立ち上げ、その中で発表。結果は「2:00:25」というフルマラソンにおける人類史上最速のタイムを叩き出します。その日は、世界中のランナーがぬ中になってレースを見ていて、その結果に度肝を抜かれたそうなんですね。

これまでマラソンシューズは、薄くて、軽くて、その上で反発力があるというところがマラソンシューズの重要なポイントで、技術的にも開発者はみんなその頂点を目指していました。しかし、ナイキが出してきたのは真逆の靴だったのです。

ところが、ここがいかにも日本人らしいのですが、日本には「分厚い靴は日本人に合わない」「薄ければ薄いほどいい」という定説が根強く、「ブレイキング2」の事実を知っていても、当初は「あれは凄いけど、ケニア人や欧米人向けのもので、日本人が履くもんじゃないよ」…そんな風潮がほとんどでした。

しかし、2017年4月のボストンマラソンで3位入賞の快挙を成した大迫傑選手(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)が、分厚いシューズを履いていたことが話題になり、9月には設楽悠太選手(ホンダ)がこの靴「ヴェイパーフライ4%」でチェコのハーフマラソンを走って日本新記録を叩き出します。

さらに1週間後、ベルリンで2時間9分台の自己ベスト。日本新記録を出すほど走って、翌週フルマラソンでまた記録が出る。そこでようやく「あれはダメージが残らない凄い靴なんだ!」と、日本でも認識を新たにするようになったのです。

そしてこの「ヴェイパーフライ4%」ですが、かかとが厚いのでまっすぐ立つと前かがみになり、勝手に走らされるそうなんです。そもそも日本人は薄い靴でベタベタと走るミッドフット走法に馴染みがあるそうなんですが、
この靴で走ってみると、足の前の方から着地するフォアフット走法になるらしいんですね。だから、必然的に全速力で足をさばいていくことになるらしいんですね。

ただ、この靴でフルマラソンを走るには、いままで培った自分のフォームをすべて捨てて、作り直さなければならない。専門家から見れば、それには半年から1年はかかるだろう、と思われていました。

ところが、2017年10月の出雲駅伝。なんと東洋大学東海大学の学生が「ヴェイパーフライ4%」を履いて出場してきました。(※現在、箱根駅伝は9区から10区へ。1位青学、2位東洋、3位東海です。)特に、ナイキのサポートを受けている東洋大学は、下級生を中心にしたメンバーのほぼ全員がこの奇跡の靴を履いていました。

この靴で本番に臨むためには、前もって実際に履いて走って体づくりをしければなりません。東洋大学は、明らかに戦略にこの靴を取り入れてトレーニングしてきた。しかも、下馬評ではあまり良くなかった東洋大学が、突然活躍しはじめた。全日本大学駅伝では、一時は首位に立つほど。この事実に衝撃を受けて、他の大学の選手も次々のこのマラソンシューズを採用するようになりました。価値観が変わり始めたのです。つまり、箱根駅伝の長距離20kmを59分台で走るために、あの厚底は適した靴なんじゃないのか、と。

ただ、この靴は両刃の剣でもあります。これまで自分が磨いてきたフォームが崩れるので、誰にでも合うわけじゃない。だから、この靴「ヴェイパーフライ4%」で試合に出るなと指示した大学もあるそうです。

さて、まもなく終了する第94回箱根駅伝、どんな選手がこの「ヴェイパーフライ4%」を履いて疾走したのでしょうか?大学駅伝だけでなく、これからのマラソンレースは、シューズに着目して観戦するともっと楽しめるかもしれませんね。この記事が、ちょっとでも参考になれば幸いです。

元記事:1/2(火) 8:00配信 東洋経済オンライン<箱根駅伝「薄底vs.厚底」靴の知られざる闘い>

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